勉強カフェ岡山・読書会記録2017 vol.6

勉強カフェ・新読書会
今回は2017年6月に開催された読書会の記録です。前回は3冊の本を紹介できました。

・『オーラソーマブック 』武藤悦子

・『人斬り剣奥儀』津本陽

・『コンビニ人間』村田沙耶香

 

まず『オーラソーマブック』について。
この本は毎月読書会に参加していただいている会員の方のご紹介です。今回もカラーセラピー本の1種ですね。この本を紹介していただいた時にいいなと思ったのが、簡単なカラーボトル診断がすぐに出来るという点です。

107種のカラーボトルの見本表が書籍の冒頭についており、参加者みんなで自分の直観に訴えかけてくるカラーボトルを選びました。それぞれ4本ずつカラーボトルを選び、診断するのですが、選んだ順番によって「人生の使命」「魂のテーマとギフト」「現在の自分」「未来の自分」といった内容が告げられます。
そのどれもが、自分達にとって心当たりのある事のように思えましたし、素敵な言葉が書かれているので、参加者一同おおいに盛り上がりました。実物のカラーボトルは印刷よりずっと綺麗だそうです。並べて置いているだけで癒されそうですね。

 

次に『人斬り剣奥義』ですが、こちらは新たに読書会の常連になって下さった男性からの紹介です。戦国期から明治半ばに生きた剣の天才たちの究極を描く「人斬りシリーズ」と文庫紹介にある通り、現代とは死生観や環境、覚悟の重さが違う時代を激烈に生きたであろう武士達の短編集です。

中でも「薩摩隼人」の言葉があるようにその生き方の苛烈さから「薩摩人」や「島津」は多くの物語や作品で特徴的な地位を与えられています。本書に収められている「松柏折る」からも、示顕流を極める主人公の渾身の生(それ以外にない生き方)というものが感じられました。
紹介してくれた方は「仕事で追い込まれた時の精神的なカンフル剤として愛読していた」との事。それだけの強度があると感じられた書物でした。

 

最後に『コンビニ人間』についてです。
芥川賞受賞作として広く世間に知られているであろう本作ですから、改めて私が内容紹介する事もないかと思うのですが、率直に感想を書かせてもらいますと、私にとってはストーリーの展開が笑えるぐらい面白かったです。

他の芥川賞受賞作としては、数年前に田中慎弥氏「共喰い」を読んだことがあったのですがあちらが親子関係、異性関係、閉鎖的な土地の感覚、といったような比較的重く感じたテーマだったのに対し、こちらは「コンビニ」らしいフラットさ、軽さが主人公から感じられました。(その主人公の認識と一般の人々との認識の差が問題=テーマとして描かれるわけですが)

コンビニという舞台、題材を用いてお店のシステム的な循環の一部としての人(無個性、役割重視)と旧来の価値観が形作る人(大人なら、社会人ならこうであるべき)が描かれた後、最終的に主人公がどうなったか。私は割と好きな終わり方でした。皆様も現代に生きる人をコミカルに描き出した「コンビニ人間」に是非触れてみて下さい。もしかしたら、「コンビニ人間」は他人ごとではないのかも知れません。

 

以下、本読書会の基本情報を掲載します。

勉強カフェ岡山スタジオで開催している読書会は、それぞれの方がお好みの本を持ち寄り、自由に紹介していただくという形式をとっています。他の参加者の方との雑談を通して、新たな価値や自分の今までの認識を発見するといった側面に重きを置いています。
今までの読書会では、海外文学小説、日本現代小説、エッセイ、人文系哲学新書、科学エッセイ、ビジネス実用書などが紹介されました。参加者の方は、特定のジャンルの本の紹介をしていただいてもよいですし、或いは多様なジャンルに挑戦してみても面白いかもしれません。

書籍の内容紹介、人に感想を発表するなんて大変だ、とお思いの方。

私達も手探り状態で読書会を開いていますので、まだまだ正解はありません。初参加の方も他の方の発表をみて学び、気軽に意見を交換してみましょう。

皆様の参加をお待ちしています。

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開催日時: 19:00~22:00の間で2時間程度 毎月第3・4週の平日開催
開催場所:勉強カフェ岡山スタジオ内セミナールーム
定員:5名程度
参加費:会員、非会員とも無料(ただし非会員の方は時間分の勉強カフェビジター料金1,080円を頂きます)